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2006年11月25日 (土)

道徳と文學

「道徳と文学ゥゥゥゥ!!」

 人間には道徳的な部分と、反道徳的な部分(たとえば、誰かを殺したいという衝動にかられたりとか、いい女を犯してみたい、とか…)があると、自分なんかは思うんだけど、そういう人間の「負の部分」を「正確に描」いたら、野嵜氏が言うところの「道徳的に正し」い文学になるんだろうか?/文学に疎い自分には、とんと理解不能。/大学の文学部では、そういう風に教えるんだろうか? 教えて偉い人。

 別に「偉い人」ではありませんが、御參考迄。

 例へば「罪と罰」と云ふ作品は、主人公の青年による金貸しの老婆殺しと云ふ「人間の負の部分」を實に「正確に描」いてゐます。これだけで終れば唯の犯罪小説でせう。しかし作者ドストエフスキーは寧ろ殺人をやり遂げた時點から出發して、主人公の道徳的煩悶を克明に描いてゐます。だから「罪と罰」は、道徳とは何かを眞摯に追究した文學であり、言ひ替へれば道徳的に正しい文學なのです。

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