與論を信じなかつた岸信介
「月刊ランティエ。」二〇〇五年十一月號に岸信介元首相を論じた松原正氏の寄稿が載つてゐる。
私は岸信介と三度會つた事がある。初めて會つた時、その場にはラヂオ日本會長の遠山景久、評論家の清水幾太郎及び勝田吉太郎が居合はせたが、食後の歡談中、私は岸に、戰前の政治家と戰後の政治家とどこが一番違ふかと尋ねた。岸は即座にかう答へた、「戰後の政治家は活字を恐がります」。(「『律儀』を信じる岸信介を尊敬する」)
正字正假名による印刷。日經ビズテックの「パソコンとハムレット」に續く快擧と云へよう。さう云へばビズテックの最新號も發賣された。「ランティエ」と兩方買ふべし。因みに「ランティエ」には三島事件を論じた呉智英氏の寄稿も掲載されてゐる。
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