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2005年8月 8日 (月)

ヘタマゴすれば日本文化は滅びる

 福田逸氏、實に下らぬ事を書いてゐる。

 ただ、否決は間違ひないとの事、ヘタマゴすれば、漸く覚醒を始めた我が国は再び悪夢の、そして最後の漂流を始めるであらう。

 國鐵が民營化されて日本が滅びたか。電電公社が民營化されて日本が滅びたか。郵便局が民營化されようがされまいが日本が滅びる事は無い。しかし傳統を守れと聲高に叫ぶ言論人が「噂を信じちやいけないよ」だの「ヘタマゴ」だの「ガラガラクシャ」だのと愚劣な言葉を書き連ねて平氣でゐるやうなら日本文化は、つまり日本は、いづれ滅びる。愚にもつかぬ噂話をさも重大事のやうに書き附ける神經もどうかしてゐる。政治主義に盲ふるとはかくも恐ろしき事か。

 (追記)福田氏は郵政公社の民營化に反對してゐる譯でなく、總選擧の結果自民黨が敗れ、民主黨が「天下を取る」事を恐れてゐるやうにも讀める。確かに民主黨は自民黨より「左」だが、兩黨の政策は所詮大同小異であり、民主黨にも西村眞悟氏のやうな「右」の政治家はゐる。それでも民主黨が嫌なら(私も個人的には嫌だが)、有權者が民主黨に勝たせるのは拙いと判斷して呉れれば濟む話だし、して呉れなければそれが「國民の意思」なのだから諦めるしかない。要するに福田氏は政治家でも政治評論家でもないのだから、己が本分である文化について書くべきなのである。或いは政治を論ずるにしても文化の視點から論ずるべきなのである。

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