それほど大事か「日本資本主義の精神」
株式上場とか經濟とかについては餘り詳しくないのだが、東京證券取引所の「株主分布調査」によれば、日本の株式時価総額のうち既に二割強を外國人が握つてゐる。これで經營の在り方が變はらずにゐられる筈が無い。日本人は日本人同士、株主への配当はそこそこにして、從業員第一、「日本資本主義の精神」で末永くやつて行きませうや、などと云ふ牧歌的なやり方がいつまでも通ずる筈が無い。
攘夷打拂令でも出して、日本の資本市場から外國人を一掃するか。出來る筈が無い。そんな事をしたら、日本の會社は外國で商賣出來なくなり、あつと云ふ間に左前になる。左前になつたら愛社精神どころではあるまい。大量解雇しなければ倒産して仕舞ふ。日本の會社が如何に慈愛に滿ちてゐようと、會社は所詮會社である。家族でもなければ教會でもない。
「日本資本主義の精神」が或る時代の産物であつたやうに、商賣の世界で西洋の流儀が力を強める時代にはそれに應じた「資本主義の精神」が必要だし、さうでなければやつて行けない。所詮、企業の在り方なんぞ、時代につれて移り變はるものである。必死になつて守るべきやうなものではない。日本文化を守りたいのならば、もつと他に守るべきものがある筈である。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント