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2004年8月11日 (水)

言論三題

 まづ國語問題協議會の設立事情。

 国語問題では超低能な役所たる文部省や、無能な文部官僚とずいぶんけんかをした。日本以外の国々がそれぞれの国語を非常に尊重しているのに比較し、日本では国語をメチャクチャにした上、さらに機会あるごとに破壊しようとしているからだ。その元凶が文部省である。あの新かなづかいと、漢字制限、それと通産省の所管であるメートル法、あんなものを実施しなければ世の中はこんなに乱れなかっただろう。ああいうものを国民に強制し、文部省と結託して、いたいけな小学生に教え込むから世の中は混乱する。国語はやさしくすることより大切にすることが先決問題なんだ。[中略] 国語問題では、国語審議会をけん制する意味で、ぼくのポケットマネーを出して寄付金を集め、国語問題協議会を作り、大いに戦ったものだ。(小汀利得『ぼくは憎まれっ子』 日本経済新聞社、昭和四十六年初版)

 小汀利得は日經の社長を退いた後、細川隆元とテレビの「時事放談」を始めた事でも知られる。次の文章に登場する時事通信社初代社長の長谷川才次とも親しかつたやうである。

 「月曜評論」の創刊事情。

 長谷川才次氏にお目にかかったのは、何度もあったであろうが、当時私が関係していた『言論人』の値上げについて、時事通信社にお願いに参上したときのことである。『言論人』の事務局U氏は、内外情勢調査会でまとめて購読していただいているこのミニコミ紙の値上げのために、長谷川氏にお目にかかるべきであつた。しかし、どういうわけか、言を左右にしてなかなか会いに行かない。[中略] その事務局長のU氏が、われわれの知らない銀行口座をS銀行にこしらえていることが偶然にわかった。[中略] こうして『言論人』のゴタゴタが始まったわけである。[中略] 私はどうしたらよいかを、『言論人』の最大の購読者である長谷川氏に会って聞いたのであった。長谷川さんは、このようなトラブルにかかわり合っていることは時間の浪費であること、皆がそう言うのなら、桶谷さん、あなたがおやりなさい、ということになって、時事通信社の一隅にアレヨアレヨと言う間に事務所が出来てしまった。[中略] 全く自信のないままに私は、年末に近いころ、時事通信社の階段下の事務所で仕事を始めたのが『月曜評論』の誕生なのである。昭和四十五年十二月のことであった。(桶谷繁雄「『言論人』値上げ交渉のことなど」『長谷川才次』収載。善本社製作、昭和五十四年・非賣品)

 國際政治ジャーナリストの長谷川才次は、ベトナム戰爭當時、アメリカ支持を主張した數少ない言論人の一人であつたが、後に過激な勞組から攻撃され社長を追はれた。その煽りで月曜評論も一時「つぶれかかった」。

 最後に、先日届いた「国民新聞」七・八月夏季合併號廣告より。今年の猛暑はミニコミ紙には格別に應へてゐるやうである。

 売りたし! 「国民新聞」発行権
 長期不況の影響なのか有料購読者の激減、購読料の不払ひ、遅延、未納が増え、更に地方支局の閉鎖などが相次ぎ広告収入も減り、小社の新聞発行業務は困窮を極めてゐます。又、小紙は編集方針として「道義国家・日本の建設」を目指し、民族主義的な色彩を前面に打出してゐますが、かういつた論調は容易に一般に受入れられないこともあつてか、発行部数は一向に伸びません。/中国の覇権主義を前に今後、国防問題を始め教育・マスコミなど重要問題も山積してゐます。この時期こそ健筆を奮はねばと考へてをりますのに、本紙を休・廃刊することは所謂敵前逃亡となつてしまひます。/つきましては創刊者、徳富蘇峰翁の理念である「文章報国」を受け継いで戴ける方がをられましたならば、是非、小紙の発行をお願ひ致したく存じます。詳細についてのお問合せは山田惠久代表まで。

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